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<開発便り>機体調整について

■2019/05/16 16:00

バトオペ2プレイヤーの皆さん、お久しぶりです。 開発の徳島です。

今回は皆さんがとても気になっているであろう機体調整(ゲームバランス)について説明させて頂きます。
担当スタッフからのデータを元にお話しさせていただきますが、非公開な情報も多々含んでおり、
やや難解な長文となりますので、興味のある方のみ読んで頂ければと思います。

■調整される機体の選択基準

はじめに、「調整対象の選択基準」についてご説明します。

まず前提として、皆さんがプレイした戦闘結果は1試合ずつすべてのデータを集計しています。
集計項目には、「チーム勝率」や「獲得スコア」「与ダメージ」「各項目の平均順位」などなど、
ゲーム内で表示されていないものも含め、機体別/使用兵装別に把握している状態です。

そして、そのデータ項目の中でも各機体の「チーム勝率」を重視し、
平均値より逸脱している機体が調整対象としてピックアップされます。

※一部例外があります。

  • 補足1:以下の①②③すべてを満たすデータを参照しています。
  • ・集計条件① レーティングバトルである
  • → 勝敗に拘った本気バトルであると判断
  • ・集計条件② レーティングランクが一定以上である
  • → 一定以上プレイしていて、十分な操作技術を持っているプレイヤーを対象に
  • ・集計条件③ 機体リリース直後の集計データは除外
  • → リリース直後は、機体特性や立ち回りが不慣れであると考えて除外

補足2:なぜチーム勝率を重視するか?

本作はチーム戦を前提としているため、チーム勝率を機体強弱を判断するための大きな基準としています。
これは、勝敗が最も客観的かつ明確に良し悪しを判別できる要素であるためです。

しかしチーム勝率といってもチーム編成によって結果が変動するのでは?という疑問も当然あるかと思います。
本作のマッチングはレーティングを基準に各チームにおおよそ同じ腕前のプレイヤーが割り振られること、
編成も汎用機3~4機、支援機1~2機、強襲機1~2機が標準的であることで比較的信頼度は高いと言えます。
もちろん機種やその他諸々の要因により、結果にゆらぎが出ることも承知しています。

その上で、現実的な問題を避け、調整すべき問題抽出の指針とすることにしています。
少しオーバーな表現となりますが、厳格に強さの基準を判断しようとした場合、
調整する機体と全機体を1対1ないし複数対複数で、数万回以上対戦した結果等を比較するという、
現実的に無理と判断せざるを得ない、データ量(実際の作業量)を必要とします。
これはバトオペ2を開発・運営するうえで不可能と判断し、チーム勝率という基準を設けている次第です。

※上記以外の技法は多々ありますが、一番現実的で明瞭なチーム勝率が最適解であると判断しました。
※もちろんその他の様々な要素も考慮することを前提としています(特定のコスト帯での各機体カテゴリが占める割合など)

■調整の方針と内容の決定について

調整対象が決まったら、勝率50%を目指して調整方針を検討します。

データを基に、武器威力の問題か?HPや装甲の不足か?
同コストの他機体比較してどうか?実際の環境ではどうか?等々。
様々な観点から検討・反映・テストを繰り返し行い、最終的に皆さんに「機体調整」としてお伝えする流れとなっています。

例えば先日調整したG-3ガンダム。こちらの調整手順は以下のような流れとなっていました。

■調整の具体例<G-3ガンダム>

■G-3ガンダムの戦闘結果
調整前(2019/03/28のアップデート前まで)
COST [勝率] [与えたダメージ] [受けたダメージ] [MS損失数]
G-3ガンダム Lv1 450 45.8% 44209 56832 3.2
参考:COST450の強襲機の平均値 450 51.1% 54589 59897 3.6
G-3ガンダム Lv2 無制限 48.9% 49775 56774 3.1
参考:無制限に出撃した強襲機の平均値 無制限 51.1% 55246 60172 3.4

※他にも獲得スコアや命中率、回避率など集計して調査していますが、今回は特に目立った点をピックアップしています。
※その他の機体リリースやカスタムパーツ追加等の要素が絡み合っており、集計時期によって数値が変動します。

G-3ガンダムは、強襲機カテゴリの平均的な与えたダメージより約10000低く、
受けたダメージは約3000低い数値となっています。
G-3ガンダムは「射撃も優秀な強襲機」としていることを念頭に置きつつも、
与えるダメージ値が少ないことが勝率を下げている要因の一つであると考えました。

※射撃重視の運用を想定していたため、被ダメージが少ないのは意図通りとなります。
※皆さんから頂いた各種ご意見や実際のプレイでの手応え感も併せて検討しています。

補足:強襲機の基本コンセプトについて

そもそものお話となりますが、この機会に説明させていただきます。
強襲機はその名のごとく、敵機に接近するための何かしらの特徴を持ち、
接近時に最大火力を叩き込める性能を持つ
ことが基本コンセプトとなります(一部例外はあります)
バトオペ2での主な役割は、遠距離で活躍する支援機を倒して前線の汎用機を動きやすくすることです。

・敵機に接近するための特徴とは?
基本の移動スピード、スラスター量の最大値、ダッシュ速度、
敵に察知されず接近できるスキル「ステルス」、ダメージリアクションを軽減できるスキル「マニューバーアーマー」など。

・接近時に最大火力を出すための特徴とは?
格闘攻撃の威力、格闘攻撃同士の衝突判定の高さなど。

改めてG-3ガンダムのパラメータや機体コンセプト見直し、問題点と改善内容をピックアップします。

■問題点と改善内容

  • 問題① 与えるダメージの低さ(ビーム・ライフルの性能)
  • ・G-3ガンダムのビームライフルは主兵装のビーム・ライフルと比べ、威力の低い副兵装として用意されていました。
  • とはいえ同コスト帯の他武装と比較した場合に威力が低く、ダメージが期待できない数値でした(集束時も同様です)
  • ⇒ [対策] 威力を改善しました。
  • ・強襲機でありながら射撃戦も得意であるとしているため、本機で中距離戦も多発すると想定していました。
  • しかしビームライフルの集束時間の長さに起因して、実戦向けの武装になっていないと判断しました。
  • ⇒ [対策] 集束時時間を改善し、射撃戦をしやすくしました。
  • 問題② 全機体と性能や、機体カテゴリの平均的な性能を比較した場合、一部見合わない性能がある。
  • ・強襲機の特徴の1つである「格闘攻撃同士の衝突判定」が低い状態でした(射撃戦も出来ることへのリスク)。
  • ⇒ [対策] 強襲機は格闘攻撃同士の衝突判定の高さを特徴としているため、これを上昇させました。
  • ・他の高コストの機体や強襲機と性能を比較した場合、スピードがやや低い数値でした。
  • ⇒ [対策] スピードを上昇させました。

※上記は主な変更点となります。細かい挙動は除外しています。

これを基に実機上で可能な限りテストと調整を繰り返した後にアップデートされます。
次が調整前と調整後のデータとなります。

<結果>

■G-3ガンダムの戦闘結果
調整前(2019/03/28のアップデート前まで)
COST [勝率] [与えたダメージ] [受けたダメージ] [MS損失数]
G-3ガンダム Lv1 450 45.8% 44209 56832 3.2
参考:COST450の強襲機の平均値 450 51.1% 54589 59897 3.6

調整後(2019/03/28のアップデート後)
COST [勝率] [与えたダメージ] [受けたダメージ] [MS損失数]
G-3ガンダム Lv1 450 48.9% 51219 60187 2.9
調整前(2019/03/28のアップデート前まで)
COST [勝率] [与えたダメージ] [受けたダメージ] [MS損失数]
G-3ガンダム Lv2 無制限 48.9% 49775 56774 3.1
参考:無制限に出撃した強襲機の平均値 無制限 51.1% 55246 60172 3.4

調整後(2019/03/28のアップデート後)
COST [勝率] [与えたダメージ] [受けたダメージ] [MS損失数]
G-3ガンダム Lv2 無制限 51.8% 54795 59611 2.8

※その他の機体リリースやカスタムパーツ追加等の要素が絡み合っており、集計時期によって数値が変動します。

結果、数値が狙い通り上昇し、勝率もかなり改善されました。
与えたダメージの上昇は、ビーム・ライフルの威力強化&使い勝手向上&機体スピードの上昇による
火力上昇と攻撃チャンスの増加が要因として推測されます。

一方で受けたダメージが上昇しています(ダメージが増加する要因であるパラメータは変更していません)
これについては様々な可能性ががありますが、下記が濃厚かと思われます。

1つめはゲーム環境の変化です。
3月28日に射撃戦主体の汎用機、ガンダム4号機が登場しました。
現在までの4号機の出撃回数は首位を保っており、データを確認してみると
4号機以外の出撃回数TOP機体が受けたダメージ量が、軒並み数%増加していました。

これがG-3ガンダムの受けたダメージの原因の1つではないかと予想されます。
しかし受けたダメージは増加したものの、機体スピードを上げたことでMS損失自体は格段に低下しました。

2つめは標準的な強襲機としての役割が正しく実行された可能性です。
機体スピードと格闘判定力の強化により強襲機として前に出て格闘攻撃を行う機会が増加。

→ これにより格闘攻撃の実行率が上昇し、与えたダメージが増加。
→ しかし近接戦=被弾率上昇にもつながりやすいため、受けたダメージも増加。

強襲機の運用としては正解であるものの、結果的に標準的な強襲機の運用形態に落ち着いたことになります。

後者の場合だとG-3ガンダムの「射撃も得意な強襲機」のコンセプトに反する結果となりますが、
可能性のひとつとして記載させて頂きました。 しかし、現状がもしこの予測通りであるならば、
格闘と射撃攻撃を適切に織り交ぜることで、今よりもっと戦果を上げる可能性も見えてきます。

■最後に

長い説明に最後までお付き合いいただきありがとうございました。

各MSに対する思い入れやプレイスタイルなど、個々に受ける印象の差もあるため、完全なゲームバランスというのは
限りなく不可能かもしれませんが、今後も問題点の抽出と改善を積極的に行っていきます。

手っ取り早く数値の足し引きだけで一定化したバランスをとることは容易で確実です。
ですが、本作のようにプレイヤースキルを伴う対人ゲームにおいては、ロジカルに数値だけで隙無くバランスを
とることで逆に損なわれる面白さがあると自分は考えています。
そしてそれを勘任せで調整するのではなく、上記のように入念にデータを収集&分析しつつ、コンセプトを
明確にすることで、個性やクセを残しつつ総合的なバランスをとっていきたいと試行錯誤しているのが現状です。

生存率を上げるためにただHPを上げるのではなく、新たなスキルを加えて補ったりすることは
結果が同じなら手間を増やしているだけとも映りますが、そこにも様々な思いが込められています。

ただひとつ明言できるのは、バトオペ2をもっと楽しくしたい!と我々が常に思っているということです。
そのために、今後も調整を続け、少しでも早く、多くの人が納得いく状態にできるよう尽力します。

今後はより密接に状況をお伝えするために調整担当のスタッフからのブログ投稿も検討中です。

また、近々、機体調整とは別に宇宙戦闘の大幅改修を計画しています。
テスト段階ではかなり感覚的で遊びやすくなったと感じていますので、こちらも是非ご期待ください。

1周年に向けてバトオペ2はこれからますます加速していきます!
引き続き、バトオペ2を宜しくお願いいたします。

(開発:徳島)

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